体験記を書きながら、ふとある疑問が湧きあがりました。
発症したきっかけとなった光景を見たのは、私だけではないはず。でも、見た人全員がパニック症になったとは考えにくい。
「ではなぜ私が?」 そこで、その理由を考察してみました(私見なので、医学的見地からは正しくないかもしれません。ご容赦ください)。
<驚異の脳のお話>
私たちの体には、とても複雑なシステムが張りめぐらされています。
何かを見たり聞いたりすると、脳はそれがどういうものかを判断し、感情を生み出し、
それに応じて行動を促したり、生理的な変化を引き起こしたりします。
例えば恐怖や不安を感じると、脳は危険だと判断して身を守ろうとします。
心拍数を上げたり呼吸を速めたりして、「逃げる」か「戦う」かの準備をします。
動物にとって生き残りをかけた瞬時の対応は、進化の過程においてとても重要であり、
その役割を担ってきたのが、交感神経なのです。
かつての命の危険にさらされるような緊急事態は、今ではめったに起こりません。現代社会に生きる私たちにとって、それは過剰なストレスを感じたときや、予期しないトラブルに見舞われたときなどに取って代わりました。
一方、副交感神経は血圧を下げ、消化器官の活動を促し、エネルギーを蓄えるなど、体の回復を助ける役割があります。寝ているときや食事中など、リラックス時に優位になります。息苦しいときに息を長く吐くと効果的なのは、この副交感神経が活発になるからです。
では、なぜ私が?
おそらく、驚くべき脳の働きによるものであろうと考えています。
発作にまつわるさまざまな出来事と、それよりも前に体験したつらい出来事を脳が関連づけ、再び緊急事態が発生したかもしれないと、私に知らせたのだと思います。
意識レベルでは無自覚だったのに、脳はちゃんとそれらを覚えていて、共通点を見つけたようです。
そんなわけで、「なぜ私が発作を起こすようになったのか」は、私の脳がちゃんと仕事したから ―と思っています。
人間の体はまさに小宇宙、脳はとっても神秘的。知れば知るほどそのすごさに感服です。
